令和4年度の重点目標がきまりました。「自分をのばそう やってみよう」です。子供たちの主体性を育てることを目指して、このように設定しました。自分の成長のために積極的に取り組む姿勢は、いつどんな時代でも必要なことだと考えます。では、「自分をのばす子」って、どんな考え方をしているのでしょうか。2年生の「跳び箱」を例に考えてみます。
開脚跳びに挑戦です。先生から、できるポイントが示されました。①強く踏み切ること。②手を遠くにつくこと。③グッと手で押して着地すること。
子供たちは果敢に挑戦しました。しかし、2年生にとっては難しい技です。できるときもあれば、できないときもあります。
できなかったときに、「なぜできなかったのかなあ。自分にはどのポイントが足りなかったのかあ。」と考えられるかどうかが、自分をのばすことができるかどうかの分かれ道です。できたときも同様です。「何に気をつけたからできたのか。」と考えることで、再現性が増します。
教師は、「今、なんでできなかったかわかる?」と投げかけます。子供が考えもしなかったところに目を向けさせるのが非常に大切な指導です。中には、「今、ちょっと近くに手をついちゃったなあ。」と、自分で自分の足りなかったところに気づけた子もいます。
「自分をのばす子」は、「自分で自分をのばす考え方」をしています。自分の跳び方がどういう状態か、合格かどうか、自分で自分を評価することができます。「自己理解力」が高いということです。「自己理解力」を高めるためには、教師が自分の行いに目を向けるような問いかけをしたり、自分の学習を振り返る機会を与えたりする「しかけ」が必要です。
「自分への気づき」は自分だけでは得られない場合もあります。友達からの他者評価で、自分の状態に気づかされる場合もあります。ですから、友達と協力して物事に取り組む「協働性」を育むことも大切です。跳び箱の準備や片付けは、協働性を高める取組です。準備や片付けも大切な学習です。
さらに、他者と協働するためには「無言」ではできません。「どうだった?」「こうだったよ」というような、対話の中身が濃いものになるようにすることが大切です。友達が跳んでいるときの様子を詳しく伝える「言葉の力」が必要です。
このように、主体性を育てるためには、「自己理解」「協働性」「言葉の力」を高めることが重要だと考えます。この3つが身につけば、どんな困難も跳び越えていけるでしょう。